Days of Dutch Courage » books

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表紙は風景だが、内容は三陸で暮らす人々を撮ったポートレイト。1ページに1枚のポートレイト写真と短い文章が、470ページ近くの分量続く。東日本大震災の被害をマクロな視点で語ること(倒壊家屋の家族や、被害者数など)も大切だけれど、この作品のとるアプローチはその逆だ。被災地にいる人の写真を撮る。同じ距離を保ち、同じ露出で、何もかも同じ方法で。そのストイックさに、被災した人々は我々と同じ位置にいる人々なのだと思い知らされる。短い文章とある瞬間しか切り取らない一枚の写真なのに、それでも我々はその人のバックグラウンドや生活や周りの人々に思いを馳せる。この本は、共感性が被災にあった人々に向けられることに意味を持たせているが、僕たちはその共感性を日常にも持ち込むこともできる。電車で前の席に座っているおじさんや、エレベーターに乗り合わせた親子などなど。彼らがやはり自分と同じ位置にいるのだと気づくことで、世界はより優しいものになっていくのだと感じた。

books, 2015年10月19日

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筒井康隆80歳。自分が読み始めた頃はまだ50代だった筒井康隆。中学の頃に断筆宣言があり、その頃から遠ざかっていた。最近の『聖痕』、『創作の極意と掟』、『世界はゴ冗談』で、筒井さんも自分の作家活動の集大成に入っているように見え、焦って本短編集を購入したものの、1本目の「ペニスに命中」を読んで凄まじく安心した。この人は、確信犯的に行動している。それについて一喜一憂するのではなく、こちらも確信犯的に乗っかるべきなのだと思う。

僕との会話で笑ったことがある皆様、その会話の土台は、小学校高学年の時に熟読した筒井作品でできています。この短編集、少しずつ読んで土台の補強に努めたいと思うのです。

books, 2015年05月5日

これはすごいや。PCでスクロールして読んだけど、早速iPhoneでも読んでみよう。

http://www.hasimotosuzu.org/planetarium/

books, 2014年10月2日

失敗をした男達と女達に再び光があてる物語。
笑いながら感極まって、今年一番の読書体験でした。
引用は、物語のエピローグにあたるパート。
自分ももっと生きていたいと思わせる。もう、他に何もいらない。

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老いかけた人間同士のセックスは、気まずい面やだれた面があったりするわけだが、そこにはまた、若い人間がしばしば気づかない優しさのようなものもある。胸はたるみ、ペニスは垂れても、肌はまだ自分の肌であって、自分が大切に思う誰かが手を伸ばして触れてくれたり、両腕に抱いてくれたり口にキスしてくれたりすれば、永遠に生きられると思っていたときと同じようにいまも体はとりけるのだ。ジョイスも私もまだ人生の十二月に達してはいないが、五月はとうに過ぎたことは間違いない。二人一緒の私たちは、いわば十月中旬か下旬の午後だった。頭上の空は活きいきと青く、空気にはぴりっと冷たいものが流れ、枝にはまだ無数の葉がついていて、大半は茶色だが金色や赤や黄色もまだ十分残っていて、人を戸外にいられるだけいたい気持ちにさせる。そんな爽やかな秋の日だった。
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家族を失い、保険会社を退職し、癌を患った主人公のネイサンは、
ブルックリンで新しい家族をみつける。
フォリーズ(follies)でいっぱいの家族だけど、ネイサンは幸せだ。
ネイサンが家族をみつけたことには、意味がある。
それをオースターは物語の最後に持ってくる。

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books, 2013年07月11日

次はマリリンモンローのファンになるのかな。

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books, 2013年07月4日